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金 善永
JNC TN8400 2001-008, 36 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に、多くの国では緩衝材としてベントナイトが候補材料として考えられている。特に近年は、地層処分にセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料からの浸出液はpHが高く、Ca、Na、Kなどの濃度が高いために、緩衝材や周辺岩盤を変質させると考えられる。この反応は、処分場が地下深い所に位置する場合、地熱や放射性廃棄物からの熱、圧力、地下水などの反応によって、さらに激しい変質を受けると考えられる。このような場合、緩衝材としての膨潤性、地下水の侵入防止、核種元素の移行遅延などの性能は、低下することが懸念される。今回は、高pH溶液に対する緩衝材構成鉱物間の影響を調べるために、緩衝材の主な構成鉱物であるモンモリロナイト、長石(曹長石)、石英を選定し、これらを一定比率に混合させて、蒸留水やpH1113溶液との反応を調べた。試験温度は50150であり、反応期間は10200日であった。試験結果、主な2次生成鉱物は方沸石(analcime)であり、温度やpHが高く、反応期間が長いほど、その生成量は多く、粒径も大きくなる傾向を示した。この方沸石の生成量は、X線粉末回折分析手法により定量化を試みた。方沸石の定量化の結果、その生成量は次の順序を示した。モンモリロナイトと長石混合試験モンモリロナイト試験モンモリロナイトと石英混合試験この他に、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、X線粉末回折分析データからは検出できなかった方沸石の結晶が観察された。また、定量化のデータを利用して、各試験においての方沸石の活性化エネルギー(kJ/mol)を求めてみた。・モンモリロナイト試験での方沸石の活性化エネルギー:54.9kJ/mol・モンモリロナイトと長石混合試験での方沸石の活性化エネルギー:51.9kJ/mol・モンモリロナイトと石英混合試験での方沸石の活性化エネルギー:59.6kJ/mol以上の結果より、ベントナイトに珪砂を混合させることや、周辺岩盤や緩衝材中の長石の存在などによる高pH溶液の変質影響を推定できる。
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PNC TJ1150 98-004, 64 Pages, 1998/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の高pHに対する耐性調査の結果、純粋菌であるDSM3457及び消化汚泥の双方において、pHが上昇するにつれて活性が低下したが、pH11においても活性が観測された。これにより、高アルカリ条件でも微生物の生育の可能性があることが分かった。また、脱窒細菌は、pH7程度の場合、処分場のようなEhの低い条件において、活性が抑制されないことが分かった。微生物のベントナイト中移行挙動評価の結果、圧密密度1.2g/cm3及び1.8g/cm3共にケイ砂を50wt.%混合した条件が、微生物透過の境界条件になる可能性があることが分かった。硫酸塩還元細菌とPuとの相互作用を調査する試験の結果、強い還元性環境(Eh=-500mV)における硫酸塩還元細菌に対するPuの分配係数(Kd)は、Eh=-85mVの条件と異なり、微生物の滅菌、非滅菌処理の挙動に影響をほとんど受けないことが分かった。しかし、分配係数は、Eh=-85mVの条件と同程度の値を示した。
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PNC TJ1150 98-003, 99 Pages, 1998/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の高pHに対する耐性調査の結果、純粋菌であるDSM3457及び消化汚泥の双方において、pHが上昇するにつれて活性が低下したが、pH11においても活性が観測された。これにより、高アルカリ条件でも微生物の生育の可能性があることが分かった。また、脱窒細菌は、pH7程度の場合、処分場のようなEhの低い条件において、活性が抑制されないことが分かった。微生物のベントナイト中移行挙動評価の結果、圧密密度1.2g/cm3及び1.8g/cm3共にケイ砂を50wt.%混合した条件が、微生物透過の境界条件になる可能性があることが分かった。硫酸塩還元細菌とPuとの相互作用を調査する試験の結果、強い還元性環境(Eh=-500mV)における硫酸塩還元細菌に対するPuの分配係数(Kd)は、Eh=-85mVの条件と異なり、微生物の滅菌、非滅菌処理の挙動に影響をほとんど受けないことが分かった。しかし、分配係数は、Eh=-85mVの条件と同程度の値を示した。
入矢 桂史郎*; 久保 博*; 深谷 泰文*; 芳賀 和子*
PNC TJ1201 98-004, 59 Pages, 1998/02
TRU廃棄物の処分システムの構成材としてコンクリートとベントナイトを併用する案が考えられている。ベントナイトとセメントを併用した場合、ベントナイトが高pHの影響を受け変質する可能性がある。この問題については、これまでに、セメントのpHに関する研究とベントナイトの高pHにおける鉱物的変質に関して研究を行ってきた。本年度は、この研究の最終年度として、TRU処分場への適用を目的とした応用研究を実施した。研究項目は、以下の通りである。(1)セメントの長期変質に関する促進試験方法の検討、(2)低pHセメントの実用性に関する検討、(3)有機系混和剤の浸出挙動に関する検討、(4)コンクリートの間隙水の影響によるベントナイトの変質試験、(5)コンクリートの間隙水の影響による岩石の変質試験
田中 知*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 97-002, 60 Pages, 1997/03
単分散の金コロイドと銀コロイドへU(VI)イオンを吸着させて、ラマン分光法によりラマン活性なU=O伸縮振動がpHによってどのように変化するかを測定した。金コロイドに関しては、測定したpH領域全体においてUO2+が金コロイドに吸着したときに観測されるラマンシフトを示したことから、溶液中で加水分解生成物あるいは炭酸錯体を形成している条件においても、金コロイドへは水酸基あるいは炭酸イオンを放出してUO2の形で吸着している可能性が示された。一方、銀コロイドに関しては、pH依存性が観測され金コロイドとの吸着反応の違いが見られた。2分散系における帯電球形コロイド粒子の拡散挙動を、一般Langevin方程式を用いて解析し、自由水中における拡散係数からの変化を電荷、粒径、濃度の関数として評価した。2分散系では自由水中における拡散よりも静電気的相互作用により拡散が抑制されることが示された。
杤山 修*
PNC TJ1601 97-001, 50 Pages, 1997/03
自然界における有機分解縮合生成物(フミン物質)とアクチノイドとの相互作用を定量的に評価するには、その高分子電解質性と、組成および構造の不均一性の相互作用に及ぼす影響を明らかにする必要がある。そこでこれらの性質のうち、高分子電解質性のみを独立して評価するために、構造が既知で組成が均一である高分子弱酸としてポリアクリル酸を選び、その酸解離およびNp(V)との相互作用を調べた。酸塩基滴定の結果によれば、高分子弱酸の解離においては、見かけのプロトン会合定数(酸解離定数の逆数)は、解離度が大きくなる程大きくなり、またイオン強度が高くなるほど小さくなる。この結果に基づき、解離度とpH、イオン強度との関係を記述するモデルを確立した。次に、ポリアクリル酸とNp(V)との相互作用を、TTAと1,10-フェナントロリンを用いる溶媒抽出法により検討した。この結果、見かけの錯生成定数は、フミン酸とNp(V)の相互作用について報告されている値に近いものであり、ポリアクリル酸の平均分子量の違いにはほとんど依存せず、pHまたは解離度の増加と共に増大し、イオン強度の増加と共に減少することを確認した。
池田 孝夫*; 雨夜 隆之*; 千葉 保*
PNC TJ1281 97-003, 45 Pages, 1997/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、放射性核種の収着メカニズムを解明することは、地層処分の性能評価及び人工バリア技術の開発にとって極めて重要である。平成47年度の研究では、人工バリア材料への放射性核種の収着メカニズム解明のため、Snの溶解度試験、ベントナイト、純粋モンモリロナイト、-FeO(OH)へのSnの収着試験、前記各固相へ収着したSnの抽出試験、ニアフィールドにおける岩石への収着試験を行った。その結果から溶解度試験において、より人工バリア環境に近い条件として、強還元性雰囲気下での溶解度データを取得する必要性が抽出された。ベントナイトへの収着挙動については、併せて拡散試験を行い、普遍性に関する知見を得ることとした。本研究は、重要核種であるSnについて以下の作業を実施し、基礎的なデータを取得したものであり、今後その発展が期待できるものである。(1)In-Diffusion法によるベントナイト中のSnの拡散試験(2)Snの吸着挙動へのSn濃度、イオン強度影響評価試験及び吸着挙動のモデル化(3)岩石へのSnの収着試験(4)Snの溶解度への共存イオン影響評価試験
池田 孝夫*; 雨夜 隆之*; 千葉 保*
PNC TJ1281 97-002, 182 Pages, 1997/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、放射性核種の収着メカニズムを解明することは、地層処分の性能評価及び人工バリア技術の開発にとって極めて重要である。平成47年度の研究では、人工バリア材料への放射性核種の収着メカニズム解明のため、Snの溶解度試験、ベントナイト、純粋モンモリロナイト、-FeO(OH)へのSnの収着試験、前記各固相へ収着したSnの抽出試験、ニアフィールドにおける岩石への収着試験を行った。その結果から溶解度試験において、より人工バリア環境に近い条件として、強還元性雰囲気下での溶解度データを取得する必要性が抽出された。ベントナイトへの収着挙動については、併せて拡散試験を行い、普遍性に関する知見を得ることとした。本研究は、重要核種であるSnについて以下の作業を実施し、基礎的なデータを取得したものであり、今後その発展が期待できるものである。(1)In-Diffusion法によるベントナイト中のSnの拡散試験(2)Snの吸着挙動へのSn濃度、イオン強度影響評価試験及び吸着挙動のモデル化(3)岩石へのSnの収着試験(4)Snの溶解度への共存イオン影響評価試験
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PNC TJ1201 97-001, 264 Pages, 1997/03
本研究は、1)高pHの原因となるセメントの改良を行ってpHを下げる研究と2)セメントの高pHがベントナイトに与える影響の研究に大別される。特にセメントに関しては、本年度は、昨年度実施した化学的見地からの研究を進めて施工性や強度面を重視した実用性中心の研究を行った。本年度の研究を通じて得られた成果を以下に示す。1)に関して1)フライアッシュと普通ポルトランドセメントさらにシリカフュームを加えたセメントによって水和反応が修了した時点でのセメント間隙水のPHを11.0以下にできるセメントのプレンドが可能である。またこのセメントは、施工可能な強度を有し、流動性にも優れている。2)セメントの実用化試験においてシリカフュームを高含有したセメントは、セメント間隙水のpHを低くできるが混練性や流動性が悪く、高性能AE減水剤を多量に添加してもその性能は改善しない。3)高炉スラグを添加したセメントは、初期強度が高く施工性には優れたいるが初期pHが12.0以上あって高い。リーチング試験においてその低下する速度は、普通ポルトランドセメントと大差はない。4)フライアッシュを高含有したセメントは、初期強度が低い。水セメント比を下げて高強度化を図ることによって改善はできるが、限界があるので使用部位を検討する必要がある。セメントの組成を早強型に変更することで初期強度の確保ができる可能性がある。2)に関して1)ベントナイトの溶解速度を検討するために、NaOH水溶液を反応溶液とした試験を行った。その結果、ベントナイトの溶出はpH 11.0ではわずかであるがpHが高くなるにともなって増大している。溶出は2次反応と考えられるが、現状では明らかになっていない。2)変質生成物を検討するための試験は、Ca(OH)2水溶液に加え、Ca(OH)"にNaとKを混合した反応溶液についても試験を行ったが、いずれの場合も生成物はCSHでありNaとKの有無による明確な差異は認められなかった。
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PNC TJ1150 97-005, 38 Pages, 1997/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の調査の結果、いくつかの細菌において、pH9以上で生育することが分かった。脱窒細菌については、pH9.5以上では活性がないことを確認した。メタン生成菌及び脱窒細菌によるガス発生量の測定のため、栄養素を変えた条件で集積培養を開始し、いくつかの条件でガスが発生していることを確認した。微生物のベントナイト中の移行挙動の評価を行った。この結果、圧密密度1.2g/cm3、ケイ砂を50wt.%混合したベントナイトについては、透過する可能性があることが分かった。ベントナイト100wt.%、圧密密度1.8g/cm3では、透過が観察されなかった。硫酸塩還元細菌とPu、Npの共存条件における硫酸塩還元細菌に対するPu、Npの分配係数(Kd)は、滅菌した場合よりしない場合の方が高い値を示した。また、この傾向は、ベントナイト共存下においても同様であった。
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PNC TJ1150 97-004, 92 Pages, 1997/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の調査の結果、いくつかの細菌において、pH9以上で生育することが分かった。脱窒細菌については、pH9.5以上では活性がないことを確認した。メタン生成菌及び脱窒細菌によるガス発生量の測定のため、栄養素を変えた条件で集積培養を開始し、いくつかの条件でガスが発生していることを確認した。微生物のベントナイト中の移行挙動の評価を行った。この結果、圧密密度1.2g/cm3、ケイ砂を50wt.%混合したベントナイトについては、透過する可能性があることが分かった。ベントナイト100wt.%、圧密密度1.8g/cm3では、透過が観察されなかった。硫酸塩還元細菌とPu、Npの共存条件における硫酸塩還元細菌に対するPu、Npの分配係数(Kd)は、滅菌した場合よりしない場合の方が高い値を示した。また、この傾向は、ベントナイト共存下においても同様であった。
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PNC TJ1602 95-002, 52 Pages, 1995/03
2次元剪断流れ場中における帯電したコロイド粒子の拡散挙動を、モンテカルロ計算によって検討し、壁と粒子がともに帯電することによる拡散挙動への影響を明らかにした。壁と粒子が同符号に帯電する場合、電荷の効果を考慮することは粒子の拡散挙動に重大な影響を及ぼし、考慮しない場合に比べて移行距離が増加した。同時に、ラテックス粒子を用いてthrough-diffusion法による拡散実験を行った結果、実測された実効拡散係数はStokes-Einstein式より計算される実効拡散係数に比べて大きくなることがわかった。さらに、石英表面に付着したカオリナイト粒子の脱離挙動をカラム法によって検討し、pHとイオン強度の影響を明らかにした。実験結果は、ファンデルワールスポテンシャルと電気2重層ポテンシャルを考慮した計算結果と一致した。
向井 悟*; 滝 洋*; 土井 基尾*
PNC TJ1214 95-006, 34 Pages, 1995/03
本研究では、カルシウム型に変換したベントナイトに対する核種の収着特性を把握するために、以下に示す研究を実施した。(1)カルシウム型ベントナイトと模擬地下水との浸出液を調整し、溶液中のpH、Eh及び元素分析を行った。また、大気雰囲気下と雰囲気制御下(Ar雰囲気下、O2濃度1ppm以下)における浸出液の化学組成について比較・検討した。(2)大気雰囲気下と雰囲気制御下において、カルシウム型ベントナイトに対するNp、I(雰囲気制御下)、及びC(大気雰囲気下)の分配係数測定試験をバッチ法により実施し、以下の分配係数が得られた。1)Npの分配係数:1.1102ml/gCa型ベントナイト-蒸留水系4.1101ml/gクニゲルV1-蒸留水系2)Iの分配係数:2.9ml/gCa型ベントナイト-蒸留水系1.5ml/gCa型ベントナイト-水酸化カルシウム系3)Cの分配係数:1.7101ml/gCa型ベントナイト-蒸留水系1.6103ml/gCa型ベントナイト-水酸化カルシウム系
田中 晧*
PNC TJ1211 95-007, 117 Pages, 1995/02
地下水生成モデルの研究において必要な鉱物の溶解速度について研究を行った。成果概要を以下にまとめる。1.鉱物の溶解速度データの調査溶解速度データが整備されていない黄鉄鉱、緑泥石、緑簾石、菱鉄鉱の4種類の鉱物についてDIALOGによる文献調査を実施した。成果の概要を以下にまとめる。(1)黄鉄鉱Linらにより、酸素濃度による反応速度定数kが定義されている。1-(1-x)1/3=k[O2]1/2・t(x:反応したFeSのモル数、[O2]:溶存酸素酸素濃度、t:時間)また、その温度依存性についてk-=2.2109exp(-9140/T)を示している。pHによる影響についてはCiminelliらにより、溶解中性アルカリ性で黄鉄鉱の溶解速度はpHとほぼ線型に増加することが示されている。(2)緑泥石Swoboda-Colbergらにより、2.76.710-12mol/m2/s(pH34.5)の値が示されている。また、Rossらにより溶解反応のメカニズムは拡散律速であり、陽イオンの溶解量に化学量論的な関係があることが示されている。(3)緑簾石Roseにより、pH111において10-1410-13mol/cm2/sの値が示されている。(4)菱鉄鉱Greenbergらにより:脱酸素水中において9.9310-6mol/m2/s値が示されている。2.鉱物-水反応試験による反応速度データの取得(1)黄鉄鉱還元雰囲気及び大気平衡状態の蒸留水中における黄鉄鉱の溶解速度を測定した。Linらの式に従って、大気平衡の蒸留水中での溶解速度定数kを評価した結果、10-410-3(cm3・mol-1)1/2・h-1と評価された。(2)緑泥石蒸留水中での緑泥石の溶解速度を測定した。溶解は放物線溶出反応にあることが確認された。Rossらの式に従って、溶解速度定数kを評価した結果、10-1510-14の範囲であった。2=kt(:溶解した鉱物量と初期存在量の比、t:時間)
石川島播磨重工業*
PNC TJ1150 94-001, 19 Pages, 1994/03
放射性廃棄物地層処分においてオーバーパックが置かれる腐食環境の特性を評価するために、含水ベントナイト中の酸化還元電位、pH、炭素鋼の自然腐食電位の経時変化を、クニピアF、模擬地下水を用い、無酸素環境と大気雰囲気下で測定した。そして得られたデータから、pH、Eh、自然腐食電位の相関関係、炭素鋼の不働態化臨界pH及び炭素鋼の腐食形態と環境特性の相関関係を検討した。また炭素鋼共存下での含水ベントナイト中に沈殿する鉄鉱物の同定手法を開発するために、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ベントナイト中の沈殿固相の同定を行った。
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PNC TJ1561 94-002, 170 Pages, 1994/02
本調査研究は、高レベル放射性廃棄物地層処分場の閉鎖の判断、及び閉鎖後の状況の把握等の方策として、処分のモニタリングを位置づけ、モニタリングの考え方、技術等について調査検討することを目的としたものである。本年度は前年度実施した国内外のモニタリングの考え方、技術の現状調査結果の成果を、踏まえて、地層処分のあり方の整理からモニタリングの目的、要件をとりまとめ、さらに、モニタリングの必要性、対象と目的、実施方法、データ取得技術に係る要件、現状の技術レベルの調査と将来の実現可能性、データの利用方法の検討を順次実施して、わが国におけるモニタリングのあり方の検討を実施した。その結果として、モニタリングに関する課題の抽出を実施し、それら課題解決のための方策の検討を行い、スケジュールを提示した。特に、閉鎖のための基礎的な判断材料を提供する実証用廃棄体を提示し、それに対するモニタリングを提案した。また、モニタリングに係る関連技術の現状調査の詳細とモニタリングに関する文献調査の結果を付録にとりまとめた。
九石 正美*; 池田 泰久*; 熊谷 幹郎*
PNC TJ1564 93-002, 23 Pages, 1993/02
本研究では、放射性ヨウ素の処分に有利な環境条件及び処分シナリオを選定し、放射性ヨウ素の安全な最終処分法の確立に資することを目的に、種々の調査及び人工バリアーとしての各種ヨウ素吸着材に関する基本データの取得試験を行ってきている。本年度は、従来の研究において、ヨウ素吸着材として選定された天然シン砂、及び銀チオ尿素錯体添着モンモリロナイトの吸着機構をより詳細に検討するとともに、合成無機イオン交換体をI-イオンを選択的に吸着する材料のモデル化合物として位置づけ、各種無機イオン交換体の吸着挙動について検討した。1.シン砂のIーイオン吸着挙動の詳細検討1)入手したシン砂中、スペイン産のみがヨウ素吸着能を有する。2)本吸着材は、I-イオンへの選択吸着能を有する。3)平衡吸着に要する時間は40日である。4)溶液のpHの上昇とともに吸着量は減少するが、全く吸着しなくなることはなく、脱着も起こらない。このことから、I-イオンの吸着はイオン交換ではなく化合物の形成によることが示唆される。5)吸着材を加熱すると吸着能が低下したことから、ヨウ素の吸着は1価の水銀化合物との化学反応によると考えられる。2.銀チオ尿素錯体添着モンモリロナイトのI-イオン吸着挙動検討1)本吸着材はI-イオンに対する選択吸着能を有する。2)本吸着材には、吸着材中の銀量より多くI-イオンが吸着される。3)I-イオンの吸着量の増加とともに、溶液が弱酸性(pH=4.3-5.8)から弱塩基性(pH=8.6)に変化する。4)吸着材のIRスペクトル及びXRDパターンにおいて、I-イオンの吸着量の増加とともに新たな吸収が観測されるようになる。このことは、I-イオンの吸着により何らかの化合物が形成されることを示唆している。5)本吸着材へのI-イオンの吸着は、I-イオンと銀チオ尿素錯体との反応による化合物の形成ばかりでなく、錯体の含浸によりI-イオンとinteractionするサイトが形成されることによると予想される。3.合成無機イオン交換体のI-イオン吸着機構1)I-イオンに対し高い吸着能を示したMg/Bi系化合物はビスムタイト類縁化合物である。2)Mg/Bi化合物へのI-イオンの吸着はアンチラングミュア型等温線を示す。3)吸着反応は発熱的におこる。
石川播磨重工業*
PNC TJ1150 93-002, 253 Pages, 1993/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックの候補材料-炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金及び高ニッケル合金、チタン及び銅-について、地層処分環境下で腐食し破壊、貫通に至る劣化過程を、現時点での知見に基づいて検討し、そのシナリオを整理した。検討においてはまず腐食シナリオと深く関わる環境条件-温度、放射線、pH、Eh、各種イオン濃度、ベントナイト及び微生物-について調査を行って、オーバーパックが置かれる処分環境を整理した。一方、各候補材料に関連する各種の腐食モード-均一腐食、孔食/すきま腐食、粒界腐食、応力腐食割れ、大気腐食、微生物腐食-と各候補材料の腐食挙動についてそれぞれ知見を整理した。そしてこれらに基づいて各候補材料の処分環境における腐食シナリオを作成した。また合わせて今後の研究開発プランの検討を行った。
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PNC TJ1150 93-001, 34 Pages, 1993/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックの候補材料-炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金及び高ニッケル合金、チタン及び銅-について、地層処分環境下で腐食し破壊、貫通に至る劣化過程を、現時点での知見に基づいて検討し、そのシナリオを整理した。検討においてはまず腐食シナリオと深く関わる環境条件-温度、放射線、pH、Eh、各種イオン濃度、ベントナイト及び微生物-について調査を行って、オーバーパックが置かれる処分環境を整理した。一方、各候補材料に関連する各種の腐食モード-均一腐食、孔食/すきま腐食、粒界腐食、応力腐食割れ、大気腐食、微生物腐食-と各候補材料の腐食挙動についてそれぞれ知見を整理した。そしてこれらに基づいて各候補材料の処分環境における腐食シナリオを作成した。また合わせて今後の研究開発プランの検討を行った。
飛田 祐夫; 岡崎 充宏*; 榊原 守夫*; 谷本 健一; 榎戸 裕二
PNC TN9410 92-208, 68 Pages, 1992/07
高レベル廃棄物の地層処分の計画において、廃棄物近傍のニアフィールドにおける放射線の影響を評価する必要がある。地層処分時における地下水の照射下における性状の基礎データを取得するために、地下水の性状を模擬した人工海水を使用して、「常陽」使用済燃料プールを照射場として利用し、線照射によって地下水の性状がどのように変化するのかを確認した。同等のサンプルを「常陽」使用済燃料プールの放射線の影響が無い場所にも設置し、照射以外の変化についても確認しリファレンスとした。また、照射後の経時変化の有無を確認するため、一定時間毎の性状の変化を調べた。照射条件は、24時間(1日)1.01031.3103Gy1440時間(60日)4.41046.8104Gyで行った。試験結果は以下の通りである。(1) 照射前後のpH、導電率、人工海水中の全てのイオン濃度の変化は見られなかった。(2) 照射前のEhは241mVであったが、1440時間(60日)の照射後では、156mVと減り、吸収線量が増えるとEhは低下する傾向がある。(3) 照射前のDoは、20.76g/lであったが、1440時間(60日)の照射後では、5930g/lと増え吸収線量が増えるとDoは上昇する傾向がある。(4) 480時間(20日)の照射前に2.9ppmの硝酸イオンが検出され、照射後にも105ppmの硝酸イオンが検出された。また、480時間(20日)の未照射前にも硝酸イオンが4.0ppm、未照射後に5.9ppm検出された。1440時間(60日)の照射後に15ppmと未照射後に11ppmの硝酸イオンが検出された。(5) 照射後一定時間内(約4時間後測定)のpH、Eh、Do、導電率、人工海水中の全てのイオン濃度の変化は見られなかった。これらの結果から線により水の放射線分解から生じる酸素がDoを上昇させ、また、水素、水酸基がEhを低下させたと思われる。硝酸イオンが検出されたことは、保管中の人工海水に空気中の窒素が溶け込み水の分解生成物と反応したことによると思われる。